FABLE II (フェイブル2)

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動画

18歳未満の方は見ないでください。動画は英語版。

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こんな人にお勧め

  • 18禁なので、18歳以上の人。
  • アクションRPGが好きな人。
  • 操作は簡単で、難易度も低めなので、アクションゲームが苦手な人でも多分大丈夫。
  • 癖のあるゲームなので、好きな人は大好きでも、嫌いな人は大嫌いかもしれない。後悔したくなければ、どのようなゲームであるかをあらかじめ知った上で、慎重に購入を考えた方が良い。

特徴

  • クリエイティブディレクターは「ポピュラス」などで有名なピーター・モリニュー。
  • アクションRPG。
  • 主人公を男女どちらか選べる。
  • 良いことをして善人になることも、悪いことをして悪人になることもできる。善人、悪人とで容姿も変化する。
  • 「クエスト」と呼ばれる指示をクリアしていくことで、ストーリーが進む。必ずクリアしなければいけないメインのクエストの他に、やらなくても良いサブクエストも充実している。
  • 敵との戦闘では、接近戦闘(剣、アックスなど)、遠隔戦闘(銃、弓など)、魔法(「ウィル」と呼ばれる)を使うことができる。それぞれX、Y、Bボタンに割り当てられており、ボタンを押すだけでその攻撃を簡単に出せる。
  • いつも犬がついてくる。犬は攻撃に協力するだけでなく、埋もれた宝や宝箱を探してくれる。主人公に合わせて、犬の容姿も変化する。
  • これから行くべき場所への道筋がきらきら光る線(ルートマーカー)で表示されるため、迷うことがない。
  • 一度行ったことのあるマップへは、メニューから簡単に行くことができる。
  • 50個隠されているガーゴイルの像とシルバーキー探しを楽しめる。
  • この世界のすべての市民に別々の名前、好きなものと嫌いなものがあり、主人公への印象も異なる。
  • 人々に「アクション」と呼ばれるポーズを見せることによって、主人公への印象を変化させることができる。
  • 結婚したり、子供を作って家庭を築くことができる。重婚もできる。
  • 結婚していてもしていなくても、ベッドインすることができる。ただしエッチなシーンはない。
  • 店や家を買って収入を得ることができる。店や家賃の収入は、実時間に応じて自動的に得られる。
  • 2人での協力プレイが可能。
  • 初回限定で、ボーナスゲームコンテンツの無料ダウンロードと、ボーナスDVD(XBOX360のみで再生可能で、インタビューの映像やアートギャラリーなどが入っている)が付いている。

概要

アクションRPG。選択を迫られる場面が多く、行動によって主人公は善人にも悪人にもなる。

システム、操作

攻撃の方法

敵を攻撃するには、接近戦闘武器を使うか、遠隔戦闘武器を使うか、「ウィル」と呼ばれる魔法を使う。

接近戦闘、遠隔戦闘、ウィルはそれぞれX,Y,Bボタンに割り当てられており、これらのボタンを押すことでその攻撃を行うことが出来る。XまたはYボタンで出した武器は、Aボタンでしまうことが出来る。

直接、遠隔攻撃では、武器を構えただけで近くにいる敵が自動的に標的になり(敵の輪郭が赤くなる)、ボタンを押すだけでその敵に向かって攻撃を行う。遠隔攻撃でも狙いを定める必要はない(アビリティを覚えれば、狙いを定めることも出来る)。

遠距離攻撃では、リロードは自動で行われ、その間は遠距離攻撃が出来ない。弾切れが無いため、いくらでも撃てる。

直接戦闘武器には、ソード、カタナ、カトラス、クリーバー、アックス、メイス、ハンマーがある。間接戦闘武器には、銃やクロスボウがある。

なお、防具は存在しない。

魔法(ウィル)

左スティックを倒すか倒さないかによって魔法の出し方が異なる。左スティックを倒さなかったときは、サラウンドスペルとなり、主人公を中心にした有効範囲内の敵に魔法の効果が及ぶ。左スティックを倒したときは、ターゲットスペルとなり、その方向の敵に魔法が放たれ、より強力な効果を発揮する。

レベル2以上の魔法を覚えると、Yボタンを押している時間によってどのレベルの魔法が放たれるかが決まる。例えば、レベル1にブレードを、レベル2にインフェルノをセットしていれば、Yボタンを押してすぐに離せばブレードが、しばらく押し続けていればインフェルノが出される。Yボタンを押し続けると画面左側にメーター(「スペルメーター」と呼ばれる)が表示され、現在どの魔法が出せる状態であるかが分かる。

MPはなく、魔法はいくらでも使うことが出来る。

どのような魔法があるかについては、アビリティの項で紹介する。

経験値

敵を倒す(あるいは攻撃する)と、「XPオーブ」と呼ばれる光る球状のものが出現する。これをRTボタンを引き続けて回収すると、経験値を得ることが出来る。

経験値には、強さ、スキル、ウィル、共通の4種類がある。青色のXPオーブを回収すると強さの経験値が上がり、同様に、黄色はスキル、赤はウィル、緑は共通の経験値が上がる。

直接武器での攻撃では青のXPオーブが出現し、同様に、遠隔攻撃では黄色、ウィル攻撃では赤のXPオーブが出現するようだ。

一撃で敵を倒すなど、敵の倒し方によって、ボーナス経験値をもらえる。どの程度ボーナス経験値をもらったかは、XPオーブを集めた時に、パーセンテージで表示される。

たまった経験値は、以下で説明するアビリティを習得するために使用する。

レベルアップとアビリティ

このゲームには通常のRPGのような主人公のレベルがない。その代わりに、取得した経験値を使って「アビリティ」を習得していく。例えば、HPを増やすアビリティである「耐性」を取得するには、「強さ」と「共通」の経験値を「耐性」を覚えるのに必要な量だけためて、使用する必要がある。

アビリティの取得は自動的に行われるわけではなく、好きな時に好きなアビリティを取得することが出来る。

それぞれのアビリティにはレベルがあり、レベル1を覚えるとレベル2を、レベル2を覚えるとレベル3を覚えることが出来るようになる。レベルが上がるほど強力になる。

一度覚えたアビリティは、返還して、経験値を返してもらうことも出来る。ただしかえってくる経験値は、使った経験値の半分になるようだ。

アビリティは「強さ」「スキル」「ウィル」の3つに分類されている。それぞれ以下のようなアビリティがある。

強さのアビリティ

強さのアビリティ説明
戦闘スタイル新しい技を覚える。レベル1では、Xボタンを押し続けることで敵の攻撃をブロックする。レベル2では、Xを押しながら左スティックを倒すことで、「フラッシュムーブ」という強力な攻撃を与える。レベル3では、攻撃コンボを覚える。また、遠隔戦闘攻撃のリロード音と同時にYを押すことでリロード時間を短縮できる。レベル4では、左スティックを敵に倒しながらXを押すことで、敵に反撃する。
筋力直接戦闘での攻撃力を上げる。
耐性HPを上げる。

スキルのアビリティ

スキルのアビリティ説明
スキルスタイル新しい技を覚える。レベル1では、左スティックを倒しながらAボタンを押すと、ロールして、敵の攻撃をかわす。レベル2では、Yボタンを押し続けることで、狙いを定める。レベル3では、さらにYを押し続けることで、ズームアップする。レベル4では、Yを押し続け、LTを引くと、サブターゲットの照準が表示され、頭や腕など体の部位を指定して撃つことができる。
正確さ遠隔攻撃の攻撃力が上がる。
すばやさリロードと攻撃の速さが上がる。

ウィルのアビリティ

ウィルのアビリティ説明
ショック電気ショックでダメージを与え、少しの間しびれさせる。
インフェルノ炎の攻撃で敵を焼く。
タイムコントロール周囲の時間を遅くする。または、テレポートしたり、敵をノックダウンする。
ブレード魔法の剣を召還し、敵に投げつける。
ボルテックス竜巻を起こして、吹き飛ばす。
カオス敵を混乱させて、同士討ちや、床掃除などを行わせる。
フォースプッシュ見えない力で敵を跳ね飛ばす。
レイズデッド以前倒したモンスターの亡霊を呼び出し、敵と戦わせる。モンスターの死骸の近くだと亡霊がより強くなる。

オーグメント

武器には、「オーグメント」と呼ばれる石を埋め込むためのスロットが空いているものがある(あるいは、はじめからオーグメントが埋め込まれている武器もある)。オーグメントには、敵へのダメージを増やしたり、防御力を高めたり、敵を倒すことでお金を得ることが出来たりなどといった効果を持つものがある。一度埋め込んだオーグメントは取り出すことが出来ない。

主人公が行くところどこへでも(一部を除く)犬がついてくる。

犬は攻撃に参加し、主人公がノックダウンした敵に飛び掛る。犬は死ぬことはないが怪我をすることがあり、その時は犬の薬を使って回復させてあげる。犬の薬は何回使ってもなくならない。

犬は埋まった宝を探すことが出来る。犬が埋まった宝を見つけると、犬の上に「掘り返す場所」と表示され、ほえながら埋められた場所まで走っていく。埋められた場所をスコップで掘り返すことで宝を手に入れることが出来る。

同様に宝箱やクエストに関する場所を見つけたときも教えてくれる。

さらに、敵が近くにいると、うなり声で知らせてくれる。

犬をほめたり、しかったり、ボール遊びをしたり(ボールを投げると犬が走っていって持って帰ってくる)、おやつをあげたりすることができる。

HPがなくなると...

HPが無くなって主人公が倒れると、経験値の一部を失い(回収していないXPオーブも消える)、その場で復活する。また、体に傷跡が残り、かっこよさが下がる(傷跡はマイホームで寝ることで消えるようだ)。

ルートマーカー

次に向かうべき場所への道筋に、「ルートマーカー」と呼ばれるキラキラ光る線が表示される。このルートマーカーをたどっていけば、迷うことなく目的地に着ける。

ルートマーカーの目的地は、メニューから変更することが出来る。

ちなみに、一度行ったことのあるマップへはメニューで選択することですぐに行ける。ただしこの時でも徒歩でその場所に行くまでにかかる時間が経過する。

市民

この世界に住んでいる人々は別々の名前を持っており、好きなもの(アクション、プレゼント、場所)や嫌いなものも異なる(人々の名前は変更することが出来る)。主人公への評価も異なり、好きか嫌いか、面白いか恐ろしいか、かっこいいかかっこ悪いかという3つのパラメータを持っている。これらはRTボタンで人を選んでからYボタンで確認することが出来る。

人々の主人公への評価によって、主人公への態度が変わる。例えば、好きならば近づいてくるし、嫌いならば逃げ出すだろう。

主人公にプレゼントを渡す可能性のある人もおり、このような人の上にはアイコンが表示されている。その人の主人公への評価によってプレゼントをもらえるかが決まる。プレゼントをもらうための条件は、RTでその人を選択すると分かる。主人公のことを指定値以上好きな時や恐れている時にもらえることが多いようだ。プレゼントを持っている人を殺すことでもプレゼントを手に入れることが出来る。

アクション

人々の主人公への評価を変えるには、「アクション」を使う。例えば、ダンスのアクションを人の前で使うと、その人の主人公への好感度を上げることができる。その他、人を怖がらせるアクションや、馬鹿にするアクション、面白がらせるアクション、名声を上げるアクションなどがある。

ほとんどの場合はすべての人が同じアクションで同じ反応を示すが、中には全く違った反応を示す人もいる。

アクションを出すには、RBボタンでアクションホイールを表示して、カテゴリーを選択してからアクションを選択する。

アクションによっては、アクションを延長できるものがある。このようなアクションでは、ボタンを押し続けることでアクションを延長でき、効果はより大きくなる。ただし、タイミングよくボタンを離さないとアクションは失敗して、本来とは逆の印象を与えてしまう。

仕事

鍛冶屋、バーテンダー、木こり(薪割り)の仕事をしてお金をもらうことができる。これらはミニゲーム風になっており、タイミングよくAボタンを押すというもの。連続して成功させるともらえる額が上がっていき、失敗すると初めの額に戻ってしまう。その仕事で一定金額以上お金を稼ぐとレベルが上がり、もらえる金額が増える。

家、店の購入

ゲーム内に存在するほぼすべての家や店は購入することが出来る。

家や店の値段は、基本価格に加え、オーナーの主人公への好感度や、町の景気などによって変わる。オーナーを殺すことで価格を安くすることもできる。

家を購入すると、自宅にするか、人に貸すかを選択できる。自宅にした時は、家の中にあるアイテムを自由に持って行くことが出来る(自宅でなければ盗みになる)。タンスなどにあるものを持って行っても、もう一度家に入ると別のアイテムが入っていることがある。また、ベッドで寝ることでHPを回復することが出来る(自宅でなければ、不法侵入になる)。家によっては、寝ることで強さやすばやさやHPなどのボーナスがつけられることがある。ただし、別のところで寝るとボーナスが取り除かれる。(現在自分にどのようなボーナスが付いているのか確認する方法があるのか分からない。)

家を貸し出した時は、家賃を得ることが出来る。

店を購入すると、店の売り上げの一部を得ることが出来る。また、その店でアイテムを購入すると、割引してもらえる。

家賃や店の収入は、ゲーム内の時間ではなく、実際の時間に応じて得ることが出来る。何もしていなくても、収入が自動的に入る。さらに、ゲームをプレイしていない時間の収入も得ることができ、ゲーム開始直後に収入が入る。

家賃や店での品物の値段は、変更することが出来る。ただし高くしすぎると、主人公の評判が落ちる。

購入した家や店は売ることも出来る(ただし売ることのできない物件もある)。

家具をよりよいものに換えることで、より家の価値を高めることができる。

結婚、出産、家族

主人公に好意を持ち、結婚出来る人の頭の上にはハートマークが表示される。このような人に指輪を渡してプロポーズすると、婚約できる。家を購入してマイホームに指定すると、結婚となる。

配偶者と避妊せずにベッドインすることで、子供ができることがある。妊娠期間は無く、起きると突然赤ちゃんができている(ベビーベッドに寝ており、顔は見えない)。さらに数日が過ぎると、突然子供が大きくなっている。

マイホームで寝ると、より健康になる(たぶん傷が消えやすいとかではないかと思うが不明)。

配偶者の主人公への好感度が高いと、しょっちゅうプレゼントを渡してくれる。

家族ができると、生活費が必要になる。1日の生活費は、自由に設定することができる。

配偶者の主人公への好感度が下がると、離婚になってしまう。離婚されると、所持金の半分を慰謝料として取られるようだ(未確認)。

重婚も可能。配偶者以外とのベッドインも可能。避妊をしないと、感染症に感染する恐れがある。

シルバーキー

「シルバーキー」というものを使って開けることができる宝箱が存在する。このような宝箱には開けるのに必要なシルバーキーの数が書かれており、それ以上シルバーキーを持っていないと開けることができない。シルバーキーを使って宝箱を開けてもシルバーキーはなくならない。シルバーキーは全部で50個あり、各地に散らばっている。

ガーゴイルの像

各所に存在するガーゴイルの像を壊していくと、10個壊すごとにある場所で宝を手に入れることが出来るようになる。ガーゴイル像は全部で50体ある。ガーゴイルの像は像と言うより仮面のような感じで、通常は壁にくっついており、高い位置にある。アビリティのスキルスタイルのレベル2である狙撃を覚えなければ壊すことが出来ない。ガーゴイル像の近くに行くと、主人公への悪口が聞こえる(大抵は狙撃の腕が悪いというようなことを言っている)。ただし、壁の向こう側にガーゴイル像があっても声は聞こえてくる。

デーモンの扉

話をする扉が幾つかあり、その扉の願いをかなえることで、扉を開けることができる。扉の中には宝箱などがある。

容姿

主人公が善人であるか悪人であるかによって容姿が変化する。かなりの善人ならば頭の上に輪ができ、かなりの悪人ならば角が生える(犬の容姿も変化する)。アビリティを覚えて強くなっていくと、筋肉が増え、背が高くなる。ウィルをたくさん使うと、紋章が皮膚に現れる。

肉やパイなどの太りやすいものを食べていると、おなかが出てきて、かっこよさが下がる。

服装(コスチューム)によって、人々の主人公への評価をかえることができる。髪形を変えたり、ひげを生やしたり、刺青を入れることもできる。服や髪などは染料を使って好きな色に染めることもできる。

名声

クエストをこなすことで名声ポイントを得ることができ、名声が高まっていく。名声が高まると有名になり、より高度なクエストが発生することもある。吟遊詩人に詩を歌ってもらったり、彫像を作ってもらったりすることでも名声が高まる。

感想

私はFABLEの前作をプレイしていない。また、協力プレイもしていないので、シングルプレイのみの感想であることをご了承いただきたい。

よくできたARPG

このゲームは、善と悪の選択や、家族を作れるなどの、サブ的な要素が特徴的なため、そちらに目が行ってしまうが、それらを除外した純粋なARPGとして十二分に楽しめた。

敵への攻撃方法が非常にシンプルなので、アクションゲームが苦手な私でも、ストレスを感じることがほとんどなかった。銃での攻撃もYボタンを連打するだけで勝手に近くの敵に照準を合わせて攻撃してくれる。また、レベルを上げれば、コンボ攻撃や体の部位を狙った攻撃など多少高度なこともできるようになるので、これらをうまく使って気持ちよく敵を倒すこともできる。

操作性が簡単な点を含めて、ARPG初心者に考慮した作りになっていると感じた。例えば、主人公が倒れてもたいしたペナルティなしに立ち上がれる点などだ。全体的な難易度は低めなので、うまい人ならば一度も倒させることはないだろう。

その他にも、親切なシステムが幾つもある。例えば、ルートマーカー。これをたどっていくだけで、迷うことなく目的地に行くことができる。さらに目的地の近くまで一気に移動することができるのも便利だ(この時、徒歩による移動分の時間がかかってしまうが、できれば、馬車などを使った最速の時間で移動してくれたらもっと良かったのだが)。

細かい点であるが個人的に感心したのは、簡単に選択してはいけないような重要なことはAボタンを長く押していないと決定できないようになっていることだ。例えば、他人の家でタンスを調べると盗みになってしまうが、盗むときはAボタンを長く押している必要がある。これに対して自分の家のタンスを調べるときは、Aボタンを短く押すだけでよい。

メインのクエスト以外に多くのクエストが存在するが、これらのクエストが実に多種多様で、飽きることがなかった。クエストによっては、やりたくないと思えるような嫌なことを頼まれることもあるが、それはやらずに無視すればよい。

欲を言えば、もう少し敵の種類が欲しかった。特に、ちょっと考えないと倒せないボス的な敵がもう少し欲しかった。

ありえないほどのモテモテぶり

こんなことが現実にはあるわけがないことはいうまでもないが、今までどのゲームでも体験したことがないくらい、このゲーム内ではものすごく女性にモテた。私が町にいると、何もしていなくても、頭の上にハートマークを付けた男女(同性愛者やバイセクシャルもいるので)が寄ってきて、主人公をこれでもかと褒めちぎる。ここでアクションを使って場を盛り上げようものなら大変な騒ぎだ。たかが手芝居(両手を人に見立てて、口をパクパクさせるようなしぐさをする)にみんなが腹を抱えて大笑いし、さらに多くの人が集まってしまう。サインをねだる子供や(サイン色紙を持っていればサインを渡すことができる)、自宅内に平気で入ってくるストーカーのような連中もいて、すごい人気ぶりだ。

モテるためにはアクションでご機嫌を取るなどの努力が必要だと思われるかもしれないが、そうでもない。好感度を上げる身なり(服装、髪型、ひげ、刺青など)をしただけで、かなりモテるようになる。あとは良い人である必要もあるかもしれない。悪者になると人々が逃げていくようになるらしいので。

あまりに人気者になると、寄ってくる人に対して、「邪魔だ、どけ!」と思ってしまう。天狗になるってこういうことかとはじめて実感できたような気がする。

そして大金持ち

このゲームではお金儲けがとても簡単だ。はじめはまじめに働いてお金を稼ぐ必要があるが、稼いだお金を店や家の購入に投資すれば、何もしなくても(ゲーム機の電源を切っていても)お金が入ってくる。数分おきに自動的に収入が入り、その時「チャリン!」という音とともに、いくら収入があったかが画面に表示される。はじめのうちはほんの小額だが、多くの店と家を買うと、1万を優に超える額の収入が数分おきに「チャリン!」と入ってくる。1万ゴールドの入った宝箱はめったに見つからないので、これはかなりの高額だ。

これだけの金持ちになると、買える物で買えない物はなくなる。ゲームの最後にはお城を買えるのだが、余裕で買える額だったので、「こんなに安くていいの?」と思ってしまった。このゲームの始めのクエストは金貨5枚を集めることなのだが、それを考えると、この成金ぶりは恐ろしい。「ホームレス中学生」どころではない。小室哲哉のように、金持ちになって人が変わる人間の気持ちが分かるような気がした。

ゲームの中とはいえ、超人気者で大金持ちという、現実にはありえない体験をさせてくれるゲームはそうないだろう。

結婚体験談

このゲームでは結婚して子供を作ることができるが、たいしたメリットもなさそうなので、正直面倒だと思っていた。しかしこのゲームの特徴でもあるので、軽い気持ちでやってみた。

まずは、結婚相手探し。主人公と結婚したがっている人はごまんといるので、より取り見取りだ。だが、どの人も似た容姿で、同じ声で同じことを言うので、全く個性が無く、「この人と結婚したい」と思えるような人が全く見つからない。まあ、試しで結婚するのだから誰でもいいやという簡易な考えで、適当な人に指輪をプレゼントして、結婚した(これが現実だったらかなりひどいやつだが)。マイホームは高級家具の揃った高級住宅にした。

結婚すると、早速子作り。避妊しないでベッドインすると、起きた時にはもう赤ちゃんが生まれていた。ただ、顔が見えないので全く実感が湧かない。

しばらく家を離れてから帰ってくると、妻から「あなたにあわせたい人がいる」と言われる。「まさか不倫相手?!」と思っていると、「パパ、大きくなったでしょ」と言って大きくなった娘(といっても9歳ぐらいか)が登場する。「なんてかわいいだ!」このときはじめて子供ができたことを実感した。

再び旅に出るため、立ち去ろうとすると、娘が「パパ、置いていかないで!」といって走ってついてくる。後ろ髪を引かれる思いとはまさにこのことだろう。ところが、一度旅に出て戻ってくると、娘の態度がおかしい。何もしゃべらないし、こちらのアクションにも無反応。うつむきかげんで、ボーっと立っている。「もしやうつ病では?」と思ったが、何をやってもだめなので、そのうち治るだろうと思い、放っておくことに。その後第2子が生まれると治ったようだが、インターネットで調べると、この無反応状態はバグであるらしく、引っ越すことで治るらしい。

旅から帰って子供たちに会うと、「やっと帰ってきてくれたんだね!」と大喜びで駆け寄ってくる。さらには、「私、パパの子でよかった!」とか、「他の子がみんなうらやましがるんだ!」とか、「いつも食べさせてくれてありがとう」などの「父親が子供に言われたいけど、実際には絶対に言われない事ベストテン」の上位に入っていそうなことを次々に言ってくれる。私は独身なのだが、絵に描いたような幸せな結婚生活ってこんななのかなと思ってしまった。

おまけ的な要素はあくまでおまけ

このゲームには特徴的なおまけ的な要素が多々ある。犬の存在、善と悪の選択、家族を作れるなどだ。ただ、これらの要素はゲームの本筋とほとんど関係がなく、本当におまけでしかなかったのは残念だった。

例えば結婚であるが、前述したように、まず結婚したいと思えるような相手が見つからない。恋愛ゲームのようであったならば面白いと思うのだが、そうではなかった。また、結婚して子供を作ってもそれほどいいことがない(子供がいるから発生するクエストもあるが、その程度)。現実の世界ならば、「子供に見返りを求めるな!いてくれるだけで十分だ!」というのは全く正しい言い分だが、ゲームの世界なのだから、子供が多ければ多いほどいいことがあるなどの特典があっても良かったのではないかだろうか。配偶者からプレゼントをもらえたり、マイホームで寝るとより健康になる(正直この意味が未だに良く分からない)のだが、これらもたいしたことではなかった。

また犬についても、微妙だった。埋まった宝を探してくれるという意味では無二の重要な存在だし、近くに敵がいるとうなり声を上げるのも役に立つ。ただしそれ以外では、ほとんど役に立たない。宝箱も見ればすぐに分かるようなものにしか反応してくれない。犬と冒険ができるRPGとしてはNetHackが有名だが、NetHackほど犬が役に立たず、このゲームではどちらかというと、そのかわいらしさを鑑賞するというマスコット的な役割が大きいようだ。

善人になるか、悪人になるかについても、ストーリーが大きく変わることがないようで、容姿が変わる程度なので、やはりおまけといってよいだろう。

これらのおまけ的な要素がもっとゲームで重要な意味を持つようであったならば、かなり面白かったと思うのだが。

宝箱の中身にがっかり

ガーゴイルの像壊しは、まるでゼルダの伝説の黄金のスタルチュラ探しのようで、面白かった。ただ、苦労した割にはもらえたものがしょぼくてがっかりした(腐ったリンゴのことではない)。これはガーゴイルの像だけではなく、その他でも苦労して見つけた割にはたいしたことがないというものが多かった。前述したようにお金には困らないので、お金やお金で買えるものはいらないし、お金で買えるものの方が良いアイテムであれば、それもいらない。ゼルダの伝説のハートの器や空き瓶のように、苦労の甲斐があったと心から思えるようなアイテムが欲しかった。

最後はあっけない

ストーリーは、簡単に言うと復讐の話で、ストーリーは長くないし、びっくりするようなどんでん返しもなく、分かりやすいはずである。しかしクリアしてみると、正直なところ私には結局何の話だったのかよく分からなかった。最後があまりにあっけない幕切れだったので、今までやらされたことはただの時間稼ぎだったのかなという気さえした。それまでにやってきた勇者集めが役に立ち、かつ、クライマックスらしい壮絶な戦いで終われるようにして欲しかった。

自由度は高いか?

このゲームは自由度が高そうに見えるし、また実際にそうであると言っても良いとは思うが、プレイしてみると期待したほど自由度が高くないと感じるかもしれない。

ゲームはオープニングから選択の連続だが、その後も多くの選択(多くは善か悪かの選択)を迫られる。そしてその選択は、どちらかが正解でどちらかが間違いということは無く、どちらを選んでも問題ない。それ以外に、誰でも殺せるとか、誰とでも結婚出来るなど多くの点で自由であるといえる。

ただ、自由に選択できたとしても、どれを選択したかにより変わるのは人々の主人公への態度や、主人公の容姿、それに幾つかのサブクエスト程度で、ストーリーが大きく変わるというようなことは無く、選択の重要性はそれほどではない。どれを選択してもたいして変わらないとなると自由度の高さにありがたみを感じることができず、その結果、自由度がそれほど高くないと感じてしまうのかもしれない。

悪事を行える昔のゲームと今のゲームの比較

洋ゲーには一般市民を殺害することができるゲームが多いが、私はゲームの中であっても人を殺したいとは全く思わないし、ゲーム内なら平気で(むしろ喜んで)人を殺せるという人がいるとも思えない。よって、娯楽であるゲームでなぜこのようなことをできるようにする必要があるのか、よく分からない。

しかしよく考えてみると、大昔に私が夢中でプレイしていた「ハイドライド2」というゲームでは、はじめの内は主人公が弱すぎて強い相手にはとてもかなわないため、経験値稼ぎで農民などの一般市民をたくさん殺していた。ハイドライド2にも善と悪を示すパラメータがあり、一般人を殺していると悪になってしまい、町に入れなくなってしまうため(記憶が間違えていなければ)、ある程度レベルが上がったところで悪い奴らを倒して善を上げる必要があった。

昔のゲームにはこのようにかなり残忍なゲームが多かったような気がするが、それらを全く気にしないでプレイできていたのは、私のモラルが低かったからという理由だけでなく、画像などの表現が全くリアルでなかったことも大きく影響しているだろう。昔のゲームで面白かったことがそのまま現在のリアルなゲームでも面白いとは言えない。昔のゲームを参考にして新しいゲームを作るのは良いが、このような点ももう少し考慮する必要があるのではないだろうか。

日本人になじめない点も

私が根っからの日本人であるからなのかもしれないが、なじめない点が幾つもあった。

例えば、アイテムの名前や説明などで、ジョークと思われる下品な表現やグロテスクな表現が幾つも出てくる。これらは、西洋人にはおもしろいジョークなのかもしれないが、私からするとたいして面白くもないし、気分が悪くなるだけだった。酔っ払いが嘔吐するシーンも、海外では大爆笑なのかもしれないが、私は2度と見たくない。

さらに、このゲームでは生贄を連れて来たり、奴隷を連れて来たりということができるが、老婆心ながら、これでは彼らイギリス人は奴隷貿易の反省をしていないのではと疑われるのではないかと心配になる。製作者からすれば、奴隷を連れてくることもできれば解放することもできるので、いやならば連れてくることはせずに解放だけをすれば良いということなのだろうが、プレーヤーからすれば、ゲームを購入したからにはその全てをやりつくしたいと思って当然なので、最終的にはゲーム製作者に責任はあり、このような言い訳に説得力があるとは思えない。

その他

その他に個人的に改善して欲しい点を幾つかあげておく。

  • たまにはまってしまい、ここから動けなくなるのではないかと思うことが何度かあった。じたばたしていると動けるようになったが、ちょっとあせる。また、イベントの最中に主人公が全く動けなくなってしまうことが1度だけあった。そのときはセーブして、ロードしなおしたところ、イベントがうまく動いた。
  • 十字ボタンのショートカットは便利なのだが、あまり使い物にならなかった。というのは、十字ボタンに割り当てられる機能がコロコロ変わるため、ボタンを押す直前に機能が変わってしまい、全然違うことをやってしまう危険があるからだ。私はこれで妻の目の前で別の人に指輪を贈ってしまい、こっぴどくしかられた(この程度で済んでよかったが)。機能が切り替わる前に、数秒空白期間を入れるなどの対策をすべきだったのでは。
  • 最近のRPGでは常識となっている、店でアイテムを買うときにすでにそのアイテムを持っているか表示される機能や、武器を買うときに現在装備している武器の性能と比較する機能がなかったため、アイテムを買う前にいちいちメニューから確認しておかなければならなかった。
  • イベントが終わると戦闘が始まるという場面で、Bボタンを押し続けているのにウィルゲージが上がらなかったり、Yボタンを押し続けているのに照準が出てこないことが何度もあった。これは、イベントが終了していないうちにボタンを押し始めたからだと思うのだが、どこでイベントが終わったかはっきり分からないので、ボタンを押し続けている事を無効にするのではなく、イベントが終わった直後からでも有効にすべきだったのではないだろうか。
  • アイテムを使う画面では、アイテムがカテゴリー別にずらっと並べられているだけなので、アイテムの数が増えると目的のアイテムを探すのが非常に面倒。しかもアイテムを使うとメニューが閉じてしまうので、アイテムを連続して使うときはもう一度メニューを開いて、目的のアイテムを探さなければならず、さらに面倒。
  • 3種類のギャンブルができるのだが、賭けられる金額があまりに少ないため、面倒なだけで、やる気になれなかった。また、私はどのゲームも勝てるチャンスがあるようには思えなかった。
  • ロード中に表示されるメッセージの一つに、「快楽を味わうことなく終わるのはもったいない」というようなことが出るのだが、ゲーム中の快楽(酒を飲む、ベッドインするなど)は、ゲームをプレイしている人間にとっては全く快楽ではない(デメリットの分だけ、むしろその逆)ため、試しにやってみる以外は、やる気になれなかった。

ヒント

  • ゲームをプレイする前にガーゴイル像というものがどのようなものかを知っておいた方が良いだろう。前述したように、ガーゴイルの像は像と言うより仮面のような感じで、通常は壁にくっついており、高い位置にある。ガーゴイルの像を探す最大の手がかりは、その声である。ずっと主人公の悪口を言っているので、悪口が聞こえたら近くにガーゴイルの像があると思ってよい。ただし、壁に隔たれた向こう側にガーゴイルの像があっても声が聞こえるため、ガーゴイルの像を探して見つからないようならば、別の部屋にある可能性もある。ガーゴイルの像は狙撃のアビリティを使わないと壊せないので、ゲームの序盤で見つけたら、その場所を覚えておいた方が良い。

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