Kinectテレビマウントを100円で作る †表題の「Kinectテレビマウント」とは、Kinectセンサーをテレビの上に置くための台という意味です。 はじめに結論を言ってしまうと、100円ショップで大きな箱状のものを買ってきて、テレビの裏に付いているVESA規格のネジ穴を使って固定し、その上にKinectセンサーを置くというだけのことです。ですので正確には100円ではなく、(100円 + 消費税 + ネジ代)がかかります。 なおここで紹介していることを実践する場合は、必ず自己責任でお願いします。そのお約束ができない方は、下で紹介しているような出来合いの商品を買ってください。 テレビの上にKinectを置けたらなぁと思う †私の部屋はとても狭いため、Kinectセンサーの置き場所に困ります。今まではテレビ(実際はPCモニターですが)の前に置いていたのですが、そうするとプレイヤーの足元(すねから下)がセンサーに認識されません。もしかしたらテレビの上にKinectセンサーを載せればよくなるかもと思い、不安定なことを覚悟で無理やり載せてみたところ、思っていた以上にいい感じで足元までが認識されるようになりました。 これはいいぞと調子に載って、両面テープを貼る程度の対策でKinectセンサーをテレビの上に載せていたところ、ある時、Kinectセンサーが首を前に傾げた瞬間、バランスを失ってテレビの上から落っこちました。幸い壊れることはありませんでしたが、それ以来すっかりビビってしまい、何とかせねばと思うようになりました。 出来合いの商品を物色する †そんなある時、ゲーム店に置いてあるKinectのパンフレットを見てみると、「テレビマウント for Kinect」と「フロアスタンド for Kinect」というものが売られていることを知りました。
「テレビマウント for Kinect」は、テレビの上にKinectセンサーを設置するための器具です。26V型〜60V型のテレビに対応しているらしいです。しかし私のテレビはそれよりも小さいですので、これは使えません。 「フロアスタンド for Kinect」は、高さ60cmの棒の先にKinectセンサーを設置できる器具です。これは私の要求に合いません。 そもそもそれ以前に、これらは現在売り切れ状態で、購入できません。また、たとえ購入できたとしても、「テレビマウント for Kinect」の定価が4,200円、「フロアスタンド for Kinect」の定価が3,680円とかなり高額です。 DealExtreme.comという海外のネットショップでも似たような器具が売られています。「Plastic Sensor Floor Stand for XBOX 360 Kinect」は「フロアスタンド for Kinect」とそっくりですが、値段は17$程と半額以下です。 「Plastic Kinect Sensor TV Clip for XBOX 360 (3-Piece Set)」はテレビの上に置くタイプのもので、7$弱です。テレビを挟んで固定するようですが、コメントを見ると、上部がカーブしているテレビにはしっかり固定できないと指摘されています。 「Plastic Sensor Wall Mount for XBOX 360 Kinect」は壁に固定するタイプです。私には不要ですが、これも7$ちょいと安いです。 海外のネットショップで売られているものは、ちゃんとしたものと比べるとかなり安いですが、品質に不安があります。しかし、DealExtreme.comは送料が無料なので、クレジットカードを持っていれば、チャレンジしてみる価値があるかもしれません。 Kinect専用ではなく、テレビの上に物を置ける台のようなものがあるかもしれないと思って調べてみると、「サンコー L-BOARD2」という、まさにそのものを見つけました。
アマゾンのレビューを見てみると、Kinect用に買っている人も多いようです。値段も2千円弱と手頃です。これだったら買ってもいいかなと思えてきました。 自分でも作れそうな気がしてくる †しかしよく考えてみると、こんなものがそんなに高価なものなのか、疑問が湧いてきました。所詮テレビの裏にあるVESA規格のネジ穴に台を固定しているだけでは?それならば、100円ショップで売っている大きめのタッパーに穴を開けてテレビの裏にネジで固定し、その上にKinectを置けばよいのでは? 早速100円ショップに行って、Kinectセンサーの台になりそうな箱を探すことにしました。 100円ショップで手頃な箱を買ってくる †どのくらいの大きさが適当なのか深く考えないまま100円ショップに行って、結局買ってきたのが、「アレンジ メッシュボックス ワイド」なるものです。本来はボトルなどを収納するためのもので、底の深いトレイといった感じです(以下「トレイ」とします)。大きさは、幅192x奥行282x高さ119mmです。使用上の注意に「正規の用途以外には使用しないでください」と書かれていますが、この約束は守れそうにありません。
結果的に買ってきたトレイの大きさは、高さが高すぎたかなという感じもしますが、悪くなかったです。まず横幅は、私のテレビの裏にあるVESA規格のネジ穴が10x10cm間隔で開いているため、12cm以上は必要です。奥行きは、下のネジ穴からテレビ上部までの長さが約23cmでしたので、4つのネジで固定する場合、24cm以上は必要です。高さは、Kinectセンサーの幅が7cm程なので、それ以上が絶対に必要です。 大きさ以外に、形も重要です。Kinectセンサーは箱の背面(または全面)に置くことになるため、その部分が平らになっていることと、箱の底と背面が垂直になっていることが必要です。私の買ってきたトレイには背面の上に出っ張りがありますが、これはKinectセンサーが後ろに落ちるのを防ぐのに役に立ちそうです。 足を削って底を平らにする †トレイを買ってきてまず気になったのが、底に付いている足です。小さい足ですが、4箇所あり、高さが2〜3mmもあります。このままテレビにネジ止めすると、トレイとテレビの間に隙間ができるため、きっちり固定できないでしょう。 そこで解決法を考えてみました。思いつくのは、以下の2つです。
足は小さいので簡単に削れるだろうと思い、1番目の選択肢を実行しました。手持ちの一番荒い紙ヤスリで削りましたが、意外と苦労しました。 まず、綺麗に削るのが難しいです。私は一応セロハンテープでマスキングをして削りましたが、1,2枚では薄かったです。また、削った足の跡は汚いです。 また、真平らにするのが難しいです。というか、私の場合、真平らは諦め、ちょっと出っ張っています。 トレイの素材のポリプロピレンはなかなか丈夫で、加工が難しいことも実際やってみて気が付きました。 私の買ってきたトレイの足は小さかったのでまだいいですが、底の周りがすべて足のような箱を買っていたら、大変だったでしょう。ヤスリで削る以外に、もっと簡単な方法があればよいのですが。 トレイの底に穴をあける †次は、ネジで固定するための穴あけです。トレイをテレビに取り付けた時に、Kinectセンサーを載せる面(トレイの背面)がテレビの上部と同じ高さになるような位置に、トレイの底に手回しドリルで4つ穴を開けました。VESA規格のネジの直径は4mm(違う場合もあります)なので、穴の大きさは約5mmにしました。 私の場合、穴を開ける時に力が入りすぎて、「バリッ」と底にヒビを入れてしまいました。皆様はこうならないように、慎重に穴を開けてください。
テレビにネジで固定する †いよいよネジでの取り付けです。家に使えそうなネジが余っていないか探したところ、ありました。昔東急ハンズで買った「なべ小ねじ M4 X 15」というものです。太さ4mm、長さ15mm、ピッチ0.7です。11個入りで値段は80円となっていますが、大昔なので、今は違うかもしれません。しかし、VESA規格で通常使用されるネジはM4x12mmらしいので、もしかしたらこれでは長すぎるかもしれません。
このネジを使ってトレイをテレビに取り付けてみると、みごとにくっつきました。一安心です。
Kinectセンサーを台に固定する †早速Kinectを載せてみました。Kinectセンサーの重さでちょっとたわみますが、問題ありません。いい感じです。
ですが、ポリプロピレンはツルツルで滑りやすいような気がしちゃいます。そこで、100円ショップに売っている滑り止めのマットを適当な大きさに切って敷いてみました。これでかなり滑りにくくなりました。
しかし心配性の私はこれだけでは怖いです。できれば、コードに足を軽く引っ掛けても落ちない程度に固定したいです。どうしたものかとしばらく考え、出たアイデアが、輪ゴムで固定するという方法です。 まず、クリップを伸ばして、ニッパーで半分に切って、ペンチで曲げてS字にします。これを4つ作ります。ニッパーで切った箇所は尖っていて危ないので、ヤスリで丸めてください。
私の買ってきたトレイは側面が網目になっていますので、その穴にS字の金具を引っ掛けます。この金具に輪ゴムを引っ掛け、それでKinectセンサーを固定します。言うまでもありませんが、輪ゴムで固定するのはKinectセンサーの土台部分だけで、柱の部分などの動く部分には触れないようにします。Kinectセンサーの前後2箇所を、2本ずつの輪ゴムで固定しましたが、これでかなりガッチリ固定できました。
さらに、これだけでは輪ゴムを外した時にS字の金具がトレイから簡単に外れてしまうので、金具をトレイの網に巻きつけて取れないようにしました。
S字の金具を引っ掛ける所がない場合は、適当な位置に穴を開けてください。または、別の方法で輪ゴムが引っかかるようにすることもできるかもしれません。S字の金具の間隔は、輪ゴムがある程度伸びた状態になるような距離にしないと、Kinectセンサーをしっかり固定できません。ちなみに私の場合、S字の金具の間隔(輪ゴムを引っ掛けるところの間隔)は、約11cmです。 気にする人は輪ゴムが劣化してKinectにくっついてしまうことを心配するかもしれませんが、長期固定したままにするなら、対策が必要かもしれません。 テレビの影になってKinectに足が映らないことが分かる †ワクワクとドキドキという心境で、XBOX360を起動してみました。すると、足元どころか、足のほとんどがKinectセンサーに映っていません。どうやらKinectセンサーの位置が後ろ過ぎて、テレビが邪魔になって下が映らなくなっているようでした。Kinectセンサーを前に移動させてみましたが、台から半分以上出て、輪ゴムで何とか固定されている状態までして、ようやく足元まで映るようになりました。
しかしこれでは怖いので、別の対策を考えました。思いついたのは以下の2つです。
1番目の方法は難しいので、2番目の方法を試すことにしました。 台の位置を高くする †トレイをネジ4本で固定するならば、今の約2cm下に穴を開けるのが限界です。早速開けて、試してみました。すると、Kinectセンサーを前に置けば、ギリギリなんとかなる感じになりました。
しかしもっと余裕がほしいので、今度ははじめネジ穴の5cm下に穴を開け、ネジ2本で固定してみました。すると、余裕で全身がセンサーに映るようになりました。ネジ2本では不安定になるかと思いましたが、4本とそれほど変わらず、意外と安定しています。ただ、ネジ穴の下の部分が短いと、後ろに反り返ってしまう怖さがあります。ネジ2本で固定するとしても結局は、テレビに付ける箱の奥行は長くないとダメでしょう。
このようにKinectセンサーの位置を高くすると、Kinectセンサーを多少後ろに置いても大丈夫になります。よって、数センチですが、Kinectセンサーとの距離を稼ぐことができます。 なおKinectの説明書によると、Kinectセンサーを設置する高さの範囲は60〜180cmらしいので、それ以上の高さにならないようにします。 市販品よりよいのではと自画自賛する †このようにしてなんとか出来上がったKinectセンサー台ですが、個人的には大満足です。もしかしたら市販の専用の器具よりいいんじゃないの?と密かに思っています。 自作の台の良いところをあげてみます。
欠点としては、作るのが面倒くさいことや安全性に問題があること以外に、見た目の悪さがあります。知らない人が見ると、まず間違いなく「何これ?」となることでしょう。小中学生であれば、友達に見られたら、その日から変なあだ名で呼ばれることになってしまうかもしれません。 箱選びのポイントをおさらいする †テレビの裏に取り付ける箱の選び方をまとめておきます。なおVESA規格ではディスプレイサイズによってネジ穴の位置が違うようなので、まずはご自分のテレビをご確認ください。なおVESA規格については、「アームスタンド製品 VESA | FORVICE」が参考になります。
コメント †もっといい方法があるよといったアドバイスやご意見がありましたら、ぜひ教えて下さい。よろしくお願いいたします。
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